レナサイエンス(4889)は、開発中の治療薬RS5614について、厚生労働大臣が2026年9月25日付で皮膚血管肉腫の希少疾病用医薬品に指定したと発表した。この希少な皮膚がんは血管内皮細胞ががん化することで発生し、5年生存率は10%未満、日本国内の発症頻度は100万人あたり2.5人で、同社によれば近年増加傾向にあるという。
第一選択薬はパクリタキセルだが、全生存期間中央値は649日と短く、化学療法と放射線療法を併用しても、大半の症例で長期的な腫瘍の縮小や消失を得ることは難しい。パクリタキセルが無効となった後の治療選択肢は乏しく、パゾパニブの血管肉腫に対する奏効率は3%にとどまり、エリブリンは一定の腫瘍縮小効果を示すものの、患者の64%に重大な副作用が生じる。
東北大学病院を含む国内の医療機関7施設と共同で実施した第2相試験では、パクリタキセルへの反応が消失した患者を対象に、RS5614(PAI-1阻害薬)をパクリタキセルに併用したところ、奏効率13.3%(95%信頼区間:1.7~40.5%)、病勢制御率86.7%、無増悪生存期間中央値4.0カ月、全生存期間中央値20.8カ月という結果が得られた。レナサイエンスは、これらの生存期間の数値が、日本のJCOG1605試験でパゾパニブについて報告された無増悪生存期間2.8カ月、全生存期間12.1カ月を上回るとしているが、両試験は直接比較されたものではなく、奏効率の信頼区間が広いのは対象患者数が少ないことを反映していると説明する。同社は9月7日に治験総括報告書を確定し、2月に公表した速報値と一致したことを確認した。Grade5の有害事象や、薬剤との因果関係が認められる重篤な副作用は発現しなかった。
今回の希少疾病用医薬品指定は、薬事承認そのものではない。RS5614が市場に投入される際の薬価算定で市場性加算が加わるほか、市場独占として機能する承認後の再審査期間が延長され、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所を通じた助成金交付の対象にもなる。同社は現在、薬事承認に向けた第3相試験の実施について、PMDA(医薬品医療機器総合機構)と協議を進めている。レナサイエンスは、今回の指定による2027年3月期の業績予想への影響はないとしている。
