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加賀電子、利益予想上方修正の大半は一時的会計益

加賀電子は新光商事を連結子会社化したことを受けて通期利益予想を上方修正した。ただし当期純利益予想の増加額70億円の大半は非現金の負ののれん発生益60億円によるもので、同社は増配の算定に際してこの利益を除外している。

執筆:Tokyo Brief Desk2026年9月25日2分で読める加賀電子8154
電子部品のリールと会計スタンプを天秤にかけ、営業利益と一時的な会計上の利益を対比させたイラスト

東証上場の電子部品商社、加賀電子(8154)は2027年3月期通期の業績予想を上方修正し、数字は目を引く内容となった。売上高は15.2%増の7600億円、営業利益・経常利益はそれぞれ6.7%増の320億円、親会社株主に帰属する当期純利益は31.8%増の290億円を見込む。1株当たり利益は従来の461円61銭から608円35銭に上昇する。

加賀電子:通期業績予想の修正
2027年3月期、前回予想は2026年8月13日公表
項目前回予想修正予想増減
売上高¥660bn¥760bn+15.2%
営業利益¥30bn¥32bn+6.7%
経常利益¥30bn¥32bn+6.7%
親会社株主に帰属する当期純利益¥22bn¥29bn+31.8%
1株当たり利益¥461.61¥608.35+31.8%

引き金となったのは新光商事に対する公開買付け(TOB)で、2026年5月18日から8月3日まで実施され、加賀電子は8月10日付で同社を子会社化した(みなし取得日は6月30日)。加賀電子は8月13日公表の業績予想に新光商事を織り込むことができなかった。買収に伴う会計処理の精査が当時まだ完了していなかったためだ。

今回の修正予想には、新光商事の第2四半期以降の想定寄与分を織り込んだ。売上高1000億円、営業利益20億円、経常利益20億円、当期純利益10億円である。これとは別に、加賀電子は第2四半期から第3四半期にかけて負ののれん発生益60億円を特別利益として計上する見込みで、この金額は第1四半期末時点で暫定的に算定されたものだ。両者を合算すると当期純利益予想の増加額70億円とほぼ一致し、新光商事による事業本体の寄与は一時的な会計上の利益に比べて小幅にとどまる。

加賀電子は配当の算定においてこの違いを重視している。年間配当は1株当たり160円(普通配当と特別配当の合計)に増配し、前回予想および前期実績から20円増える。ただし経営陣は配当算定にあたり、キャッシュを伴わない負ののれん発生益60億円を明示的に除外しており、この調整後ベースでは配当性向は33.2%、DOE(自己資本配当率)は4.7%となる一方、未調整ベースでは26.3%、4.6%にとどまる。

加賀電子はTOBによる買収に伴う多額の負ののれん発生益を2期連続で計上する見込みだ。2026年3月期には2025年7月に実施した協栄産業に対するTOBにより77億9700万円の利益を計上しており、今期は新光商事に絡む60億円の利益が上乗せされる見通しである。