本文へ移動

金融プロフェッショナル向けに、日本の市場・ビジネス情報を平日夕方に配信。

無料登録
Tokyo BriefTokyo Brief 日本語版日本のビジネスニュースを、夕方に総まとめ。

記事

オアシス、エン株保有14.54%に引き上げ 上場廃止・資本政策変更迫る

ケイマン諸島のアクティビストファンド、オアシス マネジメントは2カ月かけてエンの株式を市場内で買い増し、保有割合を13.45%から14.54%に引き上げた。同社は既に、この求人情報サイト運営会社に上場廃止と資本政策の変更を検討するよう求めたと開示し、今後1年間で代表取締役の解任や役員構成の変更なども求めていく方針だ。

執筆:Tokyo Brief Desk2026年9月24日2分で読めるエン4849
保有比率が示された基準線を超えて上昇していく階段状の棒グラフを描いたイラストで、アクティビスト投資家の保有株式が増加していることを表している。

ケイマン諸島を拠点とするアクティビストファンド、オアシス マネジメント カンパニー リミテッドは2026年9月24日、求人情報サイトを運営するエン(4849)の株式保有割合が、直前の大量保有報告書に記載された13.45%から14.54%に上昇したことを開示した。今回提出された変更報告書No.7は、オアシスの保有割合が金融商品取引法に基づく速報開示義務を発生させる1%以上の増加基準を超えたことにより、提出が義務付けられたものだ。

保有株式数は、2026年9月14日時点のエンの発行済株式総数4971万6000株のうち722万9539株となった。オアシスは7月17日から9月14日までほぼ全ての取引日に、1日当たり3万5000株から6万2000株の市場内取引を通じて買い付けを積み上げた。変更報告書によれば、保有株式全体の取得資金はファンドの資金111億6000万円で賄われており、自己資金と借入金はいずれもゼロとされている。7月から9月までの買い付けにかかる具体的な費用の内訳は示されていない。

オアシスは、エンの中長期的な企業価値および株主価値の保護・向上とガバナンスの改善を目的として、同社経営陣との対話を行っていると説明している。この保有目的の一環として、同社に対しては既に、上場株式の上場廃止、資本政策の重要な変更、および第三者による同社株式の取得によってその第三者が議決権の過半数を保有することになる事項という3項目を具体的に提案済みだとしている。

オアシスは今後12カ月の計画として、既に提案済みとする上場廃止と資本政策の変更提案を改めて行う方針を示すとともに、新たに7項目を提案する意向を示している。以下の表に、変更報告書に記載された全項目とその内容をまとめた。

オアシスによるエンへの提案事項
2026年9月24日に関東財務局へ提出された変更報告書No.7に基づく。
提案事項状況
エンの東証上場株式の上場廃止提案済みであり、今後12カ月以内に改めて提案する予定
資本政策の重要な変更提案済みであり、今後12カ月以内に改めて提案する予定
第三者による株式取得に伴う議決権の過半数保有提案済みであり、今後12カ月以内に改めて提案する予定
重要な会社財産の処分今後12カ月以内に提案予定
多額の借入今後12カ月以内に提案予定
代表取締役の解職今後12カ月以内に提案予定
特定の個人の役員選任今後12カ月以内に提案予定
役員数を含む役員構成の重要な変更今後12カ月以内に提案予定
事業の一部譲渡、休止または廃止今後12カ月以内に提案予定
配当方針の重要な変更今後12カ月以内に提案予定

オアシスはこれとは別に、純投資として市場内外の取引を通じて保有割合をさらに5%超引き上げる、条件付きの買い増し計画も開示した。同社は9月14日から概ね3カ月以内にこれを実行する見込みとしつつ、価格その他の条件次第では当該期間を超える可能性もあるとしている。変更報告書は取得価格や数量、具体的な時期について引き続き検討中だとして明示しておらず、この基準超過には当局への届出または承認が必要となる場合があるとも指摘している。

同変更報告書は、東京に拠点を置く渥美坂井法律事務所・外国法共同事業の弁護士がオアシスを代理して関東財務局に提出した。同報告書には、エンが上場廃止や資本政策の変更、その他オアシスが提案済みまたは提案を予定する事項について合意したことを示す記載はない。