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日本触媒、電池電解液工場の予算を430億円に引き上げ、稼働開始を2028年12月に後ろ倒し

日本触媒は北九州LiFSI工場の投資額を375億円から430億円に引き上げ、商業運転開始を2028年7月から同年12月に後ろ倒しすると発表。用地取得の遅れや銅・石油関連原料、建設コストの上昇を理由に挙げる一方、政府の125億円の補助金方針は変わらない

2026年8月27日2分で読める日本触媒4114
鉄骨とクレーン、積み上げられた建材が見えるリチウムイオン電池電解液工場の建設現場

日本触媒は、福岡県北九州市で進めている新しいリチウムイオン電池電解液工場について、予算を約375億円から約430億円に引き上げ、商業運転開始時期を従来予定していた2028年7月から2028年12月に後ろ倒しした。

北九州LiFSI工場:変更前後の計画
数値は日本触媒の開示情報に基づく、投資額は開示資料記載の概算額
項目変更前計画変更後計画
投資額Approx. ¥37.5bnApprox. ¥43.0bn
商業運転開始July 2028 (planned)December 2028 (planned)
建設開始January 2026January 2026 (unchanged)
経済産業省補助金上限Up to ¥12.5bnUp to ¥12.5bn (unchanged)

同社によると、稼働開始の遅れは主に、予算増額の要因であるコスト圧力とは別に、工場用地の購入手続きが計画より遅れていることに起因する。価格上昇の要因としては、石油関連および銅原料価格の上昇、輸入材料コストを押し上げている円安、そして地域の建設需要の強さを背景に想定を上回って上昇した西日本の建設コストを挙げた。

これによって本プロジェクトに付随する公的資金に変更はない。2024年9月6日に認定された経済産業省の蓄電池及び関連材料の安定供給確保に関する計画において、本プロジェクトに紐づく補助金の上限は125億円のまま維持される。

北九州工場は約6万5000平方メートルの敷地に立地し、従業員約50人体制で、日本触媒の「IONEL®」ブランドで販売され、リチウムイオン電池の電解質塩として使用されるLiFSIを年間3000トン生産する設計となっている。建設開始は従来計画から変更なく、2026年1月に予定されている。

日本触媒は2024年9月に国内LiFSI工場の建設計画を初めて発表し、2025年4月に立地協定を締結した後、今回の変更条件を確定させた。同社は、この変更が2027年3月期の業績に与える影響は軽微であるとしている。開示資料では、その影響を数値では示しておらず、土地の売主や取得が遅れた理由についても説明していない。