警察庁は、特殊詐欺の被害金の追跡・凍結・回復に向けた官民協働型枠組みについて、新たに11行と協定を締結した。10月1日から、この11行にも枠組みの運用を広げる方針だ。協定締結は9月30日に発表した。
参加した銀行
枠組みは6月1日に、都市銀行など9金融機関との間で運用を始めた。警察庁の一覧によると、この9行は5月28日に協定を結んだ。新たな11行は9月30日に締結し、協定銀行は計20行となる。
警察庁は新たに加わった銀行を名称のみで示し、業態は示していない。発表資料には、これらの銀行が国内の口座数のどの程度をカバーするかの記載もない。新規の銀行にはネット銀行が複数含まれる。
仕組み
都道府県警察は、銀行ごとに個別に照会するのではなく、警察庁を介してオンラインで協定銀行に照会する。協定銀行は迅速に回答することが求められる。都道府県警察は、被害金の移転先口座を管理する銀行に対し、早期に凍結依頼も行う。目的として掲げているのは、被害金の追跡・凍結・回復を早めることと、出し子などの関与者に対する捜査を早期に始めて検挙につなげることだ。
対象とする問題
警察庁によると、2025年の特殊詐欺の被害額は3257億4000万円で、今年上半期の被害額はすでに1816億2000万円に達した。同庁は危機的な状況としている。交付形態別では振込型が被害額の56.9%を占め、預貯金口座が被害金の移転の主要なツールであり続けているという。このため、警察と銀行の一層の連携強化が必要だとしている。
まだ分かっていない点
発表資料は、6月1日の運用開始後の回収や凍結の成果を示していない。その後に凍結した金額や被害者に返還した金額の数字もない。今回の拡大は、利用できる銀行を広げると発表したものであり、被害が減った証拠ではない。警察庁によると、協定銀行も本件の広報を自ら実施する。
