スルガ銀行(8358)は2026年9月30日、業績予想と配当予想を上方修正した。ただ、今回の修正には融資の好調に加え、一過性の会計上の利益や、同行が2027年1月に想定する政策金利の引き上げも含まれる。今回の修正は、同行が2026年5月14日に公表した予想を改めたもの。
上方修正の内容
2026年9月30日までの6カ月間について、連結経常利益の予想を従来の250億円から340億円に引き上げた(36.0%増)。親会社株主に帰属する純利益の予想は170億円から290億円(70.6%増)とした。前年同期はそれぞれ167億円、158億円だった。
2027年3月期通期は、連結経常利益を475億円から560億円(17.9%増)、純利益を320億円から440億円(37.5%増)に引き上げた。1株当たり純利益は262円01銭を見込む。同行は、連結の修正は主に単体業績の修正によるものとしている。
| 項目 | 前回予想 | 修正予想 |
|---|---|---|
| 経常利益 | ¥47.5bn | ¥56.0bn |
| 親会社株主に帰属する純利益 | ¥32.0bn | ¥44.0bn |
| 1株当たり純利益 | ¥187.72 | ¥262.01 |
| 1株当たり年間配当 | ¥60 | ¥80 |
数字を支える要因
同行は単体ベースの要因を3つ挙げるが、その性格は異なる。
第一は融資。ローンの新規実行と金利上昇の織り込みが順調に進み、コア業務粗利益が計画を上回っている。下期は2027年1月に0.25%の政策金利の追加引き上げを織り込んだ。これは同行自身の計画上の前提であり、政策決定ではない。
第二は与信費用。スルガ銀行は第1四半期に一棟収益不動産ローンの不動産担保評価方法を変更し、貸倒引当金の戻入益が生じた。同行は56億円の戻入益を一過性とし、当初予想を上回ったとしている。あわせて、これまでの予防的引当の影響なども加わり、実質与信費用が5月の予想を下回る見通しだという。
第三は有価証券。同行は通期で約30億円の国内債券売却損を見込む。5月の予想には含まれていなかった。下期は国内債券の売却損と同額の政策保有株式の売却益を見込み、有価証券関係損益はゼロとなる。
税負担も寄与する。同行は税負担率を中間期で15%程度、通期で20%程度と見込み、当初予想より低い。同行はこれを、純利益が5月公表の予想を上回る理由に挙げている。
配当
中間配当予想と期末配当予想はいずれも10円引き上げて40円とし、年間予想は60円から80円に増える。2026年3月期は中間22円、期末38円の計60円だった。同行は株主還元の基本方針、利益見通し、資本の健全性を理由に挙げている。同方針は、配当性向30%程度を目安とした安定配当を基本とする。
同行は、予想は現時点で合理的と判断する前提に基づいており、実際の業績は異なる可能性があるとしている。
