神戸新聞の発行元は、2026年5月期中間期において財務状況の悪化が続いたと当局に報告した。グループ売上高は2.5%減の175億5000万円、親会社株主に帰属する純利益は11.9%減の7億1110万円となり、12社で構成する同グループの減収減益は2期連続となった。
同社は2026年5月1日、資本金を6億円から83.3%減の1億円に減資し、差額を資本剰余金に振り替えた。同社は、今後の資本政策の柔軟性と機動性を高めるために減資を実施したとしている。開示資料の別の記載によれば、資本金が1億円まで減少したことで、資本金1億円超の企業に課される外形標準課税の対象からも外れたという。
生産体制の縮小も進む。神戸新聞は固定費削減のため、県内3カ所の印刷工場を2026年11月までに2カ所に統合する計画で、取締役会は2026年3月5日、生産センターを2027年5月末までに閉鎖することを決議した。同社は今回の閉鎖決定を受け、当該センターの建物・機械設備について、今中間期にすでに2920万円の減損損失を計上している。
こうした施策の背景には、紙媒体とデジタル媒体双方への圧力がある。同社が日本ABC協会のデータとして引用するところによれば、全国紙の発行部数は2026年5月時点で前年比6.4%減の2116万部となり、神戸新聞自体の朝刊部数も2026年6月に30万部を割り込んだ。デジタル収入も同様に振るわず、同社は生成AIの利用急増により「デイリースポーツ」を含むサイトへのアクセスが減少し、デジタル収入が前年比90%を下回る水準まで落ち込んだとしている。
コスト削減にとどまらない経営陣の対応として、同社は「アクセルビジネス」と呼ぶ新規事業群を掲げ、報道部門への資金供給を維持できるだけの強固な財務基盤を築くための成長分野と位置付けている。開示資料にはこれらの事業の売上目標や開始時期は示されておらず、投資家が現時点で測定できる具体的な施策は、工場統合と減資にとどまっている。
