大日精化工業(東証プライム:4116)は2026年9月15日、5月15日に公表した事業構造改革について、取締役会で具体的な内容を決定したと東京証券取引所に開示した。需要の長期的な減少に見舞われてきたオフセットインキ事業とキトサン事業は完全撤退し、コスト削減だけでは採算改善が見込めないその他の製品ラインは縮小する。
撤退・縮小の対象事業を合計すると、2026年3月期の連結売上高の約5%を占めるが、そのうちどの程度の売上高が直ちに失われるかは明らかにされていない。撤退・縮小の時期は事業ごとに、影響を受ける顧客に直接伝えられる予定で、より広範な事業ポートフォリオの最適化は2029年3月末まで続く。
これに伴い国内2拠点が対象となる。オフセットインキの製造・販売を手がける北海道支店(札幌市)は2026年12月末に生産を停止し、2027年3月末までに完全に閉鎖する。着色剤を製造する大阪製造所(東大阪市)は2028年9月末まで稼働を続けた後、2029年3月末までに閉鎖する予定で、同社にはグループ内の他拠点への生産移管に約2年の猶予がある。
| 拠点 | 事業内容 | 生産停止 | 閉鎖日 |
|---|---|---|---|
| 大阪製造所(東大阪市) | 着色剤製造 | 2028年9月末 | 2029年3月末 |
| 北海道支店(札幌市) | オフセットインキの製造・販売 | 2026年12月末 | 2027年3月末 |
両拠点で製造される製品の一部はグループ内の他工場に移管され、従業員には個々の事情に応じてグループ内での配置転換または転身支援プログラムが提供される。大日精化工業はまた、国内の総務・人事・経理業務を新設のシェアードサービスセンター本部に統合しており、この間接部門の集約は製造拠点の縮小と並行して進められる。
掲げる目標は資本効率の向上だ。大日精化工業の3カ年計画「Tomorrow's Transformation 2027」は、中長期目標としてROE9%、ROA5%を掲げており、2027年3月期の中間目標としてROE5%超、ROA4.3%を設定している。経営陣は、これらの数値目標の達成には、縮小する既存事業を支えるのではなく、新製品開発や海外展開、M&Aを含め、IT・電子機能性材料やモビリティを中心とする成長分野へ資本と人員を振り向ける必要があると説明している。
今回の再編に伴う費用はなお不透明だ。大日精化工業は拠点閉鎖に関連する構造改革費用の計上を見込んでいるが、金額はまだ確定しておらず、2027年3月期の上期・通期業績予想には織り込んでいない。同社は金額が判明次第開示するとしており、中長期的な業績への影響は2027年6月公表予定の次期3カ年計画で示される見通しだ。
