仙台市に本社を置くじもとホールディングス(7161、きらやか銀行と仙台銀行の持株会社)は9月25日、東京証券取引所を通じて、両行が2026年3月期に増収増益となったと開示した。親会社株主に帰属する当期純利益は前期の15億6000万円から25億8000万円に増加した。連結経常収益は440億8000万円、経常利益は31億6000万円となり、主に貸出金利息の増加が寄与した。きらやか銀行は2期連続の黒字を計上し、仙台銀行も増収増益となった。
グループ内の自己資本比率は行によって明暗が分かれた。連結自己資本比率はわずかに低下し8.02%となった一方、きらやか銀行は8.62%に改善し、仙台銀行は7.67%に低下した。
きらやか銀行は、コロナ禍後の物価上昇で財務内容が悪化した取引先を改めて査定し、支援方針を変更したうえで多額の与信関係費用を計上し、有価証券ポートフォリオの再構築に伴う損失も加わって、2024年3月期に過去最大となる244億円の当期純損失を計上していた。今回の改善はその低迷期を経てのものだ。同行は同年9月に経営陣を刷新し、新頭取を選任して経営再建に当たらせた。
この損失は、国の公的資金の返済計画にも変更を迫った。じもとホールディングスときらやか銀行は、2009年に注入されたC種優先株式による震災特例の公的資金200億円を2024年9月に返済する予定だった。しかし赤字を受けて政府と協議し、金融庁はすでに返済期限を13年延長し、2037年9月とすることを承認していた。
帳簿に残る公的資金はこれだけではない。きらやか銀行は2037年12月期限の震災特例資金100億円と、2048年9月期限のコロナ特例資金180億円も抱えている。仙台銀行も独自の公的資金300億円について、2036年3月までの返済を目指している。
| 公的資金の区分 | 金額 | 返済期限 | 状況 |
|---|---|---|---|
| 震災特例資金・C種優先株式(きらやか銀行) | ¥20bn | 2037年9月(2024年9月から延期) | 必要に応じて新たな資本調達を検討するとしている |
| 震災特例資金(きらやか銀行) | ¥10bn | 2037年12月 | 利益剰余金の積み上げ中 |
| コロナ特例資金(きらやか銀行) | ¥18bn | 2048年9月 | 利益剰余金の積み上げ中 |
| 公的資金(仙台銀行) | ¥30bn | 2036年3月までを目標 | 利益剰余金の積み上げ中 |
じもとホールディングスによると、きらやか銀行は2037年3月までに183億円、2048年3月までに300億円の利益剰余金を積み上げることができ、これにより通常の利益で100億円分と180億円分の資金を返済できるという。一方、返済期限を延長した200億円分は状況が厳しく、同社は通常利益だけで2037年の期限までに十分な利益剰余金を積み上げるのは難しいとしつつ、コロナ関連資金を除く株主資本による返済は可能だとしている。経営陣は、その返済後の自己資本比率次第で「必要に応じて」新たな資本調達を検討するとしている。
配当については、2026年3月期の普通株式配当を1株当たり5円00銭とし、2027年3月期も同額を予定するなど据え置いた。公的資金に関連する4種類の優先株式については、いずれも所定の配当を全額支払った。
