東証上場のホテル・住宅特化型REIT、インヴィンシブル投資法人(8963)が発表した月次運用実績によると、8月のホテルポートフォリオは地域によって明暗が分かれた。関西の物件が大幅に悪化した一方、関西を除くポートフォリオ全体ではRevPARが増加したが、地域によって結果にはばらつきがあった。
国内101ホテル全体では、1室当たり売上高(RevPAR)が前年同月比3.8%減の1万5608円、平均客室単価(ADR)が同3.2%減の1万7887円、客室稼働率が0.5ポイント低下の87.3%だった。関西を除くと状況は一転し、RevPARは0.6%増、ADRはほぼ横ばいの0.2%減、客室稼働率は0.6ポイント上昇の88.3%となった。
関西はより大きな打撃を受けた。客室稼働率は10.2ポイント低下の78.8%、ADRは34.0%減の1万1790円、RevPARは41.5%減の9290円となった。
| 地域 | 客室稼働率(前年同月比) | ADR(円、前年同月比) | RevPAR(円、前年同月比) |
|---|---|---|---|
| 東京23区 | 86.5%(+0.5ポイント) | ¥10,752 (-1.6%) | ¥9,301 (-1.0%) |
| 首都圏(23区除く) | 80.8%(-4.0ポイント) | ¥10,408 (-3.2%) | ¥8,405 (-7.7%) |
| 中部 | 90.1%(+1.4ポイント) | ¥20,643 (+3.3%) | ¥18,591 (+4.9%) |
| 関西 | 78.8%(-10.2ポイント) | ¥11,790 (-34.0%) | ¥9,290 (-41.5%) |
| 九州 | 87.9%(+0.6ポイント) | ¥23,752 (-2.1%) | ¥20,884 (-1.4%) |
| 北海道 | 92.4%(+3.1ポイント) | ¥20,348 (-2.4%) | ¥18,804 (+0.9%) |
| その他 | 92.9%(+1.5ポイント) | ¥28,914 (+1.7%) | ¥26,862 (+3.4%) |
| 合計 | 87.3%(-0.5ポイント) | ¥17,887 (-3.2%) | ¥15,608 (-3.8%) |
インヴィンシブルは8月の不振の要因として、大阪万博に伴う需要の剥落、日中関係の悪化による中国からの訪日客の減少、7月下旬の熊本地震、8月に発生した台風の4点を挙げている。同REITによれば、中国以外からのインバウンド需要は総じて堅調で、中東情勢の悪化による業績への影響はほとんど見られなかったという。
日本政府観光局(JNTO)によると、8月の訪日外客数は推計310万人で前年同月比9.6%減となった。インヴィンシブルはこの数字を引用しているが、中国からの内訳は示していない。
インヴィンシブル自身による9月の見通しは回復を示している。シルバーウィークの休日配置が前年より有利に働くこともあり、国内ポートフォリオのRevPARは前年同月比で約7.5%増、関西を除くと約18.0%増になると見込む。この数値は開示時点での予想であり、実績ではない。
海外では、同REITが保有するケイマン諸島の2物件「ウェスティン・グランドケイマン・セブンマイルビーチ・リゾート&スパ」と「ザ・サンシャイン・ホテル&スイーツ」の8月実績は、客室稼働率43.4%(4.0ポイント上昇)、ADR316ドル(12.3%減)、RevPAR137ドル(3.4%減)だった。インヴィンシブルはADRの減少についてウェスティンでの団体客予約の減少を要因に挙げている。9月については、ウェスティンでの団体客予約の増加見込みと、前年同月にザ・サンシャイン・ホテル&スイーツの客室棟が改装のため休業しており2025年12月に再開したことによる比較のベース効果を理由に、RevPARが85.1%増の113ドルになると予想している。
今回の開示はインヴィンシブル自身の保有物件に関するものであり、関西のホテル市場全体を対象としたものではない。また9月の数値は同REITの予想であり、実績として報告されたものではない。
