東証グロース市場上場のソフトウエア企業FIXER(5129)は2026年9月10日、東京証券取引所に対し、2025年12月29日付の新株予約権プログラムに基づきEVO FUNDに発行した残存する新株予約権の全てを買い取り、消却すると発表した。9月30日付で実施されるこの措置により、最大276万2000株の潜在的な希薄化が解消され、当初20億3000万円規模だった資金調達計画は終了する。
FIXERは新株予約権の行使を通じてこれまでに総額のうち3億9970万円しか調達しておらず、その時点で調達を打ち切ることを決めた。予約権を消却することで、残る16億3000万円はこのプログラムでは調達されないことになる。買い取り自体にかかる費用はわずか74万3460円で、EVO FUNDが当初予約権の対価として支払った金額と同額であり、FIXERは2027年8月期の業績への影響は軽微だとしている。
同社が示した理由は、これらの資金で開発するはずだった製品「Sovereign GaiXer」がすでに完成したというものだ。FIXERによれば、事業は開発段階から製品の販売段階に移行しており、それに伴い必要となる資金の性質も変化したという。将来の不確実な費用に備えて一括で資金を調達するのではなく、今後は受注状況に応じて支出し、案件ごとに採算性を見極めていく方針だ。提出された資金使途の表にはこの転換が反映されており、当初の計画では2027年8月まで調達、開発、販売促進、広告宣伝に支出を配分していたのに対し、修正後の計画では製品調達に既に支出した金額のみが示され、それ以降については固定的な予定は示されていない。
| 資金使途 | 当初計画(2027年8月まで) | 修正計画(2026年6月までの支出額) |
|---|---|---|
| 製品調達 | ¥780mn | ¥399mn |
| 開発・顧客サポート | ¥600mn | - |
| 販売促進 | ¥520mn | - |
| 広告宣伝 | ¥125mn | - |
| 合計 | ¥2,025mn | ¥399mn |
FIXERは、新株予約権を取りやめることがSovereign GaiXerからの後退を意味するものではないと強調しており、同製品を引き続き中期的な成長の柱と位置づけている。今後の支出は案件ごとに判断するとし、外部資金が必要になった場合には、その時点での資本コストや財務への影響、既存株主の希薄化などを踏まえ、借入や追加の増資を含む資金調達方法を検討するとしている。業績予想の更新は、2026年10月14日に予定される通期決算の発表と合わせて行われる予定だ。
