イオンの8月度営業概況には、既存店の増減率よりも重要な一行がある。14店舗が依然として営業再開に至っておらず、既存店集計の対象外となっているのだ。7月28日のイオンモール熊本での爆発事故を受け、イオン九州の12店舗とイオンモールの商業施設2施設が休業を続けており、同社は8月の既存店売上高の算出からこの14拠点をすべて除外した。イオン九州は同じ基準に基づき、7月分の既存店売上高についてもさかのぼって修正している。
イオンは8月20日、爆発の原因究明と再発防止策の策定に向け、外部専門家による事故調査委員会を設置した。同社によれば、同委員会の調査結果はグループ全体の防災基準の見直しや施設の安全性向上に向けた取り組みに反映される予定だが、委員会がいつ結論を報告するか、被災施設がいつ再開する見込みかについては時期を示していない。
これに照らせば、通常の数値はほとんど二の次に見える。イオンモールの既存店専門店売上高は、映画館やアミューズメント、趣味関連の専門店に支えられ前年比102.7%となり、イオンリテールは記録的な大雨にもかかわらず2カ月連続で既存店売上高の増加を記録した。ただしこれらの数値には留保が付く。休業中の14拠点は集計から完全に除外されており、これらの拠点が通常もたらしていたはずの売上高がどの程度に上るかについて、イオンは明らかにしていない。
未解決の問いは8月の売上動向そのものではなく、休業中のイオン九州12店舗とイオンモール2施設がいつまで閉鎖を続けるのか、そして事故調査委員会が熊本での爆発原因について最終的にどのような結論を出すのか、という点にある。
