SAAFホールディングス(東証:1447)は2026年8月25日に臨時株主総会を開催し、集計された議決権の71.54%の賛成により、会社提案の買収防衛策が承認された。内容は普通株式1株につき新株予約権1個を無償割り当てするというもので、基準日は2026年9月14日である。同日時点の株主名簿に記載された株主は、同社自身を除き、1株につき新株予約権1個を受け取ることになる。同社は、結託して株式を買い集めているとする株主グループに対抗するため、この仕組みを用いる方針だ。
今回の本質は新株予約権の仕組みそのものではなく、議決権集計の在り方にある。同社の独立委員会は2026年8月3日付の第4回意見書において、取締役会が共同保有者と認定した19名の株主および関係者からなるグループと、同社の一般株主との間に「重大かつ構造的な利益相反」が存在すると判断した。これを踏まえ、同社は当該グループおよびその関係者が保有する6万3044個の議決権に加え、同社取締役およびその関係者が保有する1905個の議決権を、可決の判断基準となる母数から除外した。取締役会は、防衛策を策定したのが取締役会自身であることから、取締役にも利益相反があると主張した。これらの議決権を除いた結果、残る議決権の単純過半数で足りることとなり、実際の集計では賛成8万6802票、反対3万4537票だった。
| 議案 | 賛成票 | 反対票 | 棄権 | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 議案1(会社提案):買収防衛策としての新株予約権割当て | 86,802 | 34,537 | 0 | Approved (71.54% of counted votes) |
| 議案2(株主提案):取締役の選任・解任ルールの変更 | 99,950 | 86,338 | 2 | Rejected (fell short of two-thirds supermajority) |
これとは別に株主提案された議案は、より多くの賛成票を集めたにもかかわらず否決された。この議案は、取締役の選任・解任について、より高いハードルであるスーパーマジョリティ要件ではなく、議決権総数の3分の1以上の定足数の下で出席議決権の単純過半数により決定できるよう、同社の定款を変更するものだった。賛成9万9950票、反対8万6338票を集め、絶対数では買収防衛策そのものを上回る支持を得た。それでも否決されたのは、定款変更には議決権総数の3分の1以上を有する株主の出席のもと、その3分の2以上の賛成が必要であり、この議案はその基準を満たさなかったためだ。
同社は、9月14日を基準日として新株予約権の割当てを進める方針であり、今後のスケジュールについては決定次第開示するとしている。臨時報告書では、対象グループの保有株式数、公開買付価格、新株予約権の行使条件や取得条件については明らかにされておらず、これらの詳細が存在するとしても本報告書の範囲外である。
