消費者庁は、特定商取引法におけるオンライン販売の扱いを見直す中間報告書について、2026年9月16日から10月31日までパブリックコメントを募集している。その提案内容は表示ラベルの整理にとどまらない。2026年1月から9月にかけて9回開催された「デジタル取引と特定商取引法に関する検討会」は、チャットアプリやダイレクトメッセージ、ショートメッセージサービスを通じて送られる未承諾の勧誘を、電話勧誘と同様の法規制の対象とすることを求めている。
提案では、商品を売り込むために1対1のチャットを開始する事業者、あるいは販売目的を明らかにせずに消費者にチャットを開始させる事業者は、勧誘に先立ち販売業者名、勧誘者名、商品の種類、販売目的を明示しなければならないとする。虚偽の説明や重要事項の不告知は禁止され、威迫・困惑させる行為も禁じられるほか、いったん拒絶した相手への再勧誘も、既存の電話勧誘規制と同様に違法となる。消費者には、契約書面の受領から8日間のクーリングオフ期間が与えられる。
| 対象となる慣行 | 提案される扱い |
|---|---|
| チャット・DMによる勧誘 | 電話勧誘と同様の開示義務、クーリングオフ、再勧誘禁止を適用 |
| 定期購読トラップと偽の緊急性表示 | 価格・数量・契約期間に関する誤認表示や、捏造された在庫・レビュー表示を禁止 |
| 決済確認画面 | 総額表示を義務付け、画面分割による価格表示を禁止し、注文後の電子書面送付を義務化 |
| 返品特約による返金拒否 | 事実確認を行わずに返品特約を理由とする返金拒否を禁止 |
| 遅延・複雑な解約手続き | 遅延や不必要な複雑さを取締りの対象化 |
| 来店を誘引するウェブ広告 | 目的明示を要する訪問販売として再分類 |
| おとり価格の出張修理サービス | 虚偽の表示価格が、圧力をかけられ離脱しにくい状況への訪問を誘引した場合に限り違法 |
| 開示が遅れた連鎖販売取引 | 当初の売買契約時点から連鎖販売取引として扱う |
報告書は、いわゆるダークパターンも標的とする。一回限りの「お試し」購入であるかのように見せかけながら、実際には定期購読であるという事実を隠す表示や、偽の在庫数表示、捏造されたレビュー、繰り返し表示されるポップアップによって購入を迫る手法などである。検討会は、価格、数量、契約期間について消費者に誤認を与える表示や、望まない注文を迫る攻撃的な手法を用いた表示について、技術を問わず広く禁止することを求めるとともに、広告と認識しにくい表示を禁止し、広告と明確に識別できない表示には明瞭な広告表示を義務付けることも求めている。
最終確認画面についても規制が強化される。支払総額を複数の画面に分割して実際の費用を分かりにくくすることはできなくなり、事業者は注文後速やかに契約条件の恒久的な電子データを送付しなければならず、消費者が後日料金について異議を申し立てる際の根拠となる。これとは別に、報告書は、事業者が事実関係を確認しないまま返品特約を理由に返金を拒否することを禁止し、意図的に遅延させたり不必要に複雑にしたりした解約手続きそのものを取締りの対象とすることを求めている。
純粋なオンライン販売以外でも、報告書は、紙のチラシでは既にできないことをウェブ広告が可能にしている抜け穴を塞ごうとしている。実店舗を宣伝し、その後に勧誘が行われることを明示しないまま消費者を来店させるウェブサイトは、訪問販売として再分類され、対面での訪問勧誘に既に適用されている目的明示義務の対象となる。
検討会はまた、いわゆる「レスキューサービス」的手法について、特定の違法行為としての指定を求めている。事業者がインターネット上で著しく虚偽の価格・料金を表示し、その価格を根拠に訪問依頼を誘引した上で、消費者が外部の助けを呼んだり勧誘の場を離れたり他の選択肢と比較したりしにくい状況の下で、合理的な理由なく表示価格を大きく上回る価格の契約を勧誘する行為は、違法行為として行政処分の対象となる。報告書はまた、当初の販売が既に行われた後にマルチ商法的な構造を開示する仕組みについても連鎖販売取引の義務を及ぼし、勧誘層が明示された時点からではなく、当初の売買契約が締結された時点から連鎖販売取引として扱うこととする。
