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政策ウォッチ

金融庁WG、大企業向け貸付けの規制緩和とノンバンク社債の資本金下限を議論へ

10月9日開催の金融庁ワーキング・グループの資料は、大企業のみを相手にする貸金業者の登録・更新・書面交付の規制を緩和すべきか、ノンバンクの社債発行に求める資本金10億円の下限を維持すべきかを論点に挙げる

執筆:Tokyo Brief Desk2026年10月8日3分で読める
資本構成を表す積み重ねたブロックと、狭い門を通り抜ける小さなブロック

金融庁の成長企業への資金供給の在り方等に関するワーキング・グループは10月9日に第2回会合を開く。議事次第にはヒアリング2件、事務局説明2件、討議が並ぶ。配付資料には、委員に向けた論点と業界側の提案が盛り込まれている。いずれも議論のための論点で、承認された政策ではなく、議事次第の公表時点で会合は開かれていなかった。

「プロ」に貸す事業者の規制緩和

事務局は、「プロ」の借り手をコミットメントライン法の列挙に沿って定義することを提案している。同法の列挙は13類型で、会社法上の大会社(資本金5億円以上または負債額200億円以上)のほか、上場会社等、特定目的会社、登録投資法人などが含まれる。

こうした借り手にのみ貸し付ける貸金業者について、事務局は3種類の規制の適用を柔構造化すべきかを論点に挙げている。第1は参入規制で、登録に係る資本金要件、貸金業務取扱主任者の設置義務、更新制度が対象となる。第2は行為規制で、契約締結前・締結時と弁済受領時の書面交付、取立て規制が対象となる。第3は、銀行や保険会社など債務者の利益を損なうおそれが少ない譲受人への債権譲渡に関する規制である。現在、登録には最低純資産額5000万円が必要で、3年ごとの更新が求められる。

事務局はさらに、こうした貸金業者を国が監督すべきか、プロ向け以外の貸付けも行う貸金業者についても、プロ向け貸付けに同様の行為規制の緩和を認めるべきか、大企業から受け取るコミットメントフィーをみなし利息から除外すべきかを問うている。現行では、貸金業者は大企業相手でも、融資枠が使われなかった場合にコミットメントフィーを受け取ると行政処分の対象となり得る。銀行にはこうした扱いはない。事務局は加えて、日本に拠点を持たない外国の貸し手がシンジケートローンに参加する際の参入緩和にも、同じ借り手基準を適用すべきかを尋ねている。

日本プライベート・エクイティ協会は、プロ投資家・事業者向けのLBOメザニン貸付けを念頭に、貸金業法の規律を明確化・簡素化するよう求めている。事務局は、ファンド形式の貸金業者によるストラクチャードファイナンスが2026年3月末時点で17ファンド、融資残高1855億円に上ると指摘した。また、ファンドの存続期間が10年近くに及ぶため、貸金業登録の更新が必要になるとしている。

ワーキング・グループ委員で弁護士の一人は、ファンドのGPが要件を満たす場合にそのファンドを対象に含めるなどの修正を加えたうえで、コミットメントライン法の列挙を出発点とすることに賛成している。プロ向け貸付けのみを行う貸金業者も、登録または届出の下で金融庁の監督を受けるべきだと主張する。

ノンバンク社債の資本金下限

1999年施行のノンバンク社債法は、貸金業者が登録すれば社債を発行できると定めている。登録には資本金10億円以上と、貸付審査業務に3年以上従事した者2人以上が必要となる。2026年3月末時点で、47社の社債等の残高は計17兆7000億円だった。

事務局は、ノンバンク自身がスタートアップの場合、資本金要件を満たすのが難しく、資金調達も難しくなり得ると指摘する。ベンチャーデットの役割を踏まえ、登録制度で社債による資金調達を制限すべきかも問う。また、貸金業を主な事業とし、社債発行や有価証券報告書の提出を行う貸金業者に、貸付金残高や不良債権に関する注記の開示を求めるべきかも尋ねている。

Fintech協会は、資本金要件を1億円に引き下げて登録制度を廃止する一方、ノンバンク社債法独自のディスクロージャー規制は維持するよう提案している。2025年のベンチャーデットは292億円で、スタートアップのデットファイナンスの13.2%を占め、1社当たり平均調達額は約2.8億円から約3.9億円に増えたと指摘する。委員の弁護士は私募債についてさらに踏み込み、適用を全面的に除外すべきだと主張する。公募債についても、規制は合理性を失っているのではないかと感じている。