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小野薬品工業、バセドウ病薬のアジア権利取得 Biohavenに一時金8000万ドル

小野薬品工業がBiohavenに契約一時金8000万ドル、開発マイルストン2000万ドル、売上高の約20%のロイヤルティを支払い、IgG分解薬3種のアジアでの権利を取得。先行するBHV-1300はバセドウ病で第3相試験中

執筆:Tokyo Brief Desk2026年10月8日2分で読める小野薬品工業4528
オートインジェクターのペンと、抗体が分解される様子を示す図、簡素な支払い台帳を並べた編集部作成のイラスト

小野薬品工業(4528)は、Biohavenの自己免疫疾患向け開発段階の3薬について、日本、韓国、台湾、ASEAN諸国での開発・販売の独占的権利を取得するライセンス契約を結んだ。契約一時金として8000万ドルを支払い、売上高に応じた約20%のロイヤルティも支払う。

小野薬品の支払い内容

2026年10月8日に締結したライセンス契約に基づき、小野薬品は米コネチカット州ニューヘイブンに拠点を置く米バイオ企業Biohaven Ltd.に、契約一時金として8000万ドルを支払う。開発の進捗に応じたマイルストンとして2000万ドルも支払う。どのマイルストンが支払いの条件になるかは、資料に記載がない。

このほか、小野薬品はBiohavenに売上高に応じた約20%の料率でロイヤルティを支払う。発表資料にはロイヤルティの期間や段階的な料率の記載はない。

役割分担

小野薬品は、対象地域での臨床試験の実施と製造販売承認の取得を担う。承認後は同地域での販売も担当する。

対象となるのはBHV-1300、BHV-1310、BHV-1320で、いずれもBiohavenのMoDE(Molecular Degraders of Extracellular Proteins)プラットフォームから創出された低分子薬。小野薬品は、体内に備わるタンパク分解機構を利用し、自己免疫疾患の原因となる自己抗体のIgG1、IgG2、IgG4の各サブクラスを除去するよう設計された薬だと説明している。

先行薬は治験段階

BHV-1300は最も開発が先行しており、バセドウ病を対象にグローバル第3相試験を実施している。小野薬品によると、患者が自己投与できるオートインジェクター製剤で、TRAbと呼ばれる甲状腺刺激ホルモン受容体に対するIgG自己抗体を分解する。

小野薬品工業によると、抗甲状腺薬、放射性ヨウ素内用療法、外科手術など、現在承認されているバセドウ病の治療は、いずれもTRAbを標的としていない。これらの化合物は開発段階にあり、発表資料に有効性の結果は記載されていない。

業績への影響

小野薬品は、今回の契約が2027年3月期の連結業績に与える影響は軽微とし、今後公表すべき事項が生じた場合は速やかに開示するとしている。同社社長は、今回のライセンスにより、重点領域である免疫・炎症疾患で開発後期段階のパイプラインを強化できるとの認識を示した。

これらの権利が売り上げにつながるのは、治験が成功し、各地域の規制当局が承認した場合に限られる。