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ヤマハ、ヤマハ発動機株売却で249億円の利益計上も IFRSでその大半が消える

ヤマハがヤマハ発動機株1400万株を売却し単体で249億円の利益を計上したが、公正価値会計により連結利益にはほとんど反映されず、保有比率は1.46%となった

2026年8月27日2分で読めるヤマハ7951
縮小していく企業株式証書の山と、急勾配のものとほぼ横ばいのもの、二つに分岐する利益推移のグラフを描いたイラスト。

浜松市に本社を置く楽器・音響機器メーカーのヤマハは、2026年8月27日にブロックトレードでヤマハ発動機株1400万株を売却し、二輪車・船舶用エンジンメーカーである同社への出資比率を2.84%から1.46%に引き下げた。証券会社を通じて手配された今回の取引は、8月31日に決済される予定だ。

売却前、ヤマハはヤマハ発動機株を2892万8370株保有していたが、売却後の保有株数は1492万8370株となった。この減少幅は売却した1400万株と完全に一致しており、これはヤマハ発動機の発行済株式総数の1.37%に相当する。

ヤマハによるヤマハ発動機株保有比率(売却前後)
比率はヤマハの開示に基づき、2026年6月30日時点のヤマハ発動機の発行済株式数を基に算出。
項目売却前売却後
保有株数28,928,37014,928,370
発行済株式比率2.84%1.46%
売却株数14,000,000 (1.37% of issued shares)

大部分が計上されない利益

単体ベースでは、ヤマハは2027年3月期の単体決算において、投資有価証券売却益として249億円の特別利益を計上する見込みだ。この金額は親会社単体の帳簿上の実際の利益であり、決算発表時には特別利益として計上される。

しかし、多くの投資家が実際に注視する指標である連結純利益にはほとんど反映されない。ヤマハグループは国際財務報告基準(IFRS)に基づいて決算を報告しており、ヤマハ発動機株はその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類されている。この分類の下では、株式の評価損益は損益計算書ではなく純資産(資本)を通じて処理されるため、連結ベースで株式を売却しても損益上の利益は認識されない。ヤマハ自身も、連結純利益への影響は軽微であるとしている。

重要なのはこの二つの数字の差だ。親会社単体の決算には249億円の利益が計上される一方、ヤマハの連結決算の要となる利益や公表される純利益はほとんど動かない。連結決算だけを見た読者は、ヤマハ発動機の残存持ち分のかなりの部分を現金化した今回の取引の痕跡をほぼ見出せないだろう。

語られていないこと

売却後もヤマハはヤマハ発動機株1492万8370株、発行済株式の1.46%を保有している。この比率は、2026年6月30日を期末とする期間についてヤマハ発動機が報告した株式数を基に算出されている。どちらの開示資料にも売却の理由や残存持ち分に関する方針は記載されておらず、今回の売却が一回限りのものか、より大規模な売却の始まりなのかは明らかにされていない。