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Terra Droneの1対2株式分割、東証の望む水準にはなお届かず

ドローン・空域管理事業を手がける同社は10月1日、投資単位を約85万円に引き下げるが、それでも東京証券取引所が望ましいとする個人投資家向け価格水準の50万円未満を大きく上回る水準にとどまる。

2026年8月27日2分で読めるTerra Drone278A
「Terra Droneの1対2株式分割、東証の望む水準にはなお届かず」の編集イラスト

Terra Droneの取締役会は2026年8月26日、普通株式を1株につき2株の割合で分割することを決議した。発行済株式数は1039万7100株から2079万4200株へと倍増し、基準日は2026年9月30日、効力発生日は2026年10月1日となる。定款上の発行可能株式総数も同時に3260万株から6520万株へ引き上げられ、同日付で定款第6条の変更が発効する。資本金の額に変更はない。

掲げられた狙いは戦略的なものというより単純な計算に基づくもので、投資単位当たりの価格を引き下げて投資家がより購入しやすくし、株主層を広げることにある。Terra Drone自身の開示資料は読者向けにその計算を示している。8月26日終値1万7050円を基に算出すると、分割後の投資単位は約85万円になる。

Terra Droneの株式分割:分割前後の比較
効力発生日は2026年10月1日、基準日は2026年9月30日。数値はTerra Droneの2026年8月27日付開示資料による。
項目分割前分割後
発行済株式数10,397,10020,794,200
発行可能株式総数32,600,00065,200,000
投資単位の目安(100株、8月26日終値ベース)¥1,705,000 implied by ¥17,050 close (not stated in filing)about ¥850,000
新株予約権1個当たりの交付株式数(標準)100 shares200 shares

その数字こそが今回の開示における本質的な緊張点だ。同社は東京証券取引所が「望ましい投資単位」として50万円未満を掲げていることを明確に認めた上で、既存株主の売買条件が急激に変化するのを避けるため、あえて分割比率をそれ以上に高めず1株を2株とする水準にとどめたと説明している。つまり、東証グロース市場の投資家はより安く参入できるようにはなるものの、取引所自身が推奨する水準までは安くならないということだ。

今回の分割に伴い、Terra Droneが資金調達や業務委託先への報酬支払いに用いている新株予約権(ワラント)についても、連鎖的な調整が必要になる。第2回有償新株予約権(行使価額を1株100円から50円へ引き下げ)から行使価額3万円のもの(1万5000円へ引き下げ)まで、24種類を超える新株予約権シリーズの行使価額が10月1日付で半減する一方、各新株予約権で交付される株式数は100株から200株へと倍増する。このうち第20回から第22回までの3シリーズは、Terra Droneが2026年7月6日に実施した資金調達に連動した行使価額修正条項を備えており、下限行使価額も7500円~1万5000円から3750円~7500円へと半減され、必要に応じて取締役会がさらに引き下げる余地を残す形となっている。

Terra Droneは、ドローンソリューション事業や無人航空機の運航管理事業を拡大しつつ、防衛関連分野を含む新領域にも進出していると説明しており、今回の株式分割をこうした成長戦略を後押しするものと位置付けている。同社は一点、留保も示している。分割後の株式数は2026年7月31日時点の発行済株式数を基にした数値であり、9月30日の基準日までに新株予約権が行使された場合には変動し得るとしている。