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政策ウォッチ

原子炉の運転を続けたまま行う保守の規則案、日本の原子力規制委員会が意見公募

安全上重要な原子炉機器の計画的な保守を既存の停止時間内に完了させ、事前に確率論的リスク評価で計画を検証することを事業者に求める規則案について、10月2日までパブリックコメントを募集中

2026年9月3日3分で読める
制御パネルの横で、リスクゲージのダイヤルとカウントダウンタイマーを模した抽象的な図とともに技術者が産業用ポンプを点検している様子を描いたイラストで、機器を稼働させたまま行う保守の規則を表している

原子力規制委員会(NRA)は9月3日、発電用原子炉の運転規則を定める安全審査基準の改正案について、2026年10月2日までの30日間、パブリックコメントの募集を開始した。この改正案が対象とするのは、これまで規制されていなかった特定の活動である。原子炉の運転上の制限(LCO)が適用される機器について、事業者が事前に計画し、原子炉の運転を継続したまま実施する保守作業だ。

現行規定に欠けている点

現行基準は、異常時に「やむを得ず」実施する保守についてのみ、LCOの対象機器に必要な保安措置を規定している。事業者が施設の通常管理の一環として事前に計画する保守については、これまで明確な規定がなかった。改正案は新たな条項を追加してこの空白を埋める。すなわち、当該機器の計画的な保守は原則として既存の許容停止時間(AOT)内に完了させること、作業期間中の安全対策を定めること、そしてその有効性を確率論的リスク評価(PRA)により事前に検証することを求める。

規制当局が実効性を見込む理由

この改正案は、NRAが2025年から2026年初めにかけて事業者と共に実施した3件の実証試験を踏まえたものだ。四国電力伊方3号機の非常用ディーゼル発電機での絶縁抵抗試験と空気冷却器の模擬清掃、同発電所の高圧注入ポンプの遮断器点検・切替試験、そして関西電力大飯3号機の原子炉補助冷却水ポンプの潤滑油交換・試運転である。

保守規定案の背景にあるNRAの実証試験
既存の停止時間の範囲内で行う計画的な保守が安全上の懸念を生じないことの証拠として、原子力規制委員会が挙げた実証試験
試験発電所/事業者機器実施内容
試験1四国電力 伊方3号機非常用ディーゼル発電機3B絶縁抵抗試験および空気冷却器チューブの模擬清掃
試験2四国電力 伊方3号機高圧注入ポンプ3B遮断器精密点検および切替試験
試験3関西電力 大飯3号機原子炉補助冷却水ポンプ潤滑油交換および試運転

規制当局は、既存のAOT制限の変更を要するような安全上の問題は見当たらないと判断し、事業者にこの作業のスケジュールを委ねることには実務上の利点があると結論付けた。作業負荷をより均等に分散でき、経験豊富な技術者をより効率的に活用でき、若手保守要員の減少やベテラン技術者の退職が報告される中で研修の機会を生み出せるという点だ。ただし、これによって従来認められていなかった運転中保守が新たに許可されるわけではない。事業者は以前からAOTの範囲内で計画的な保守のために機器を停止させることが認められてきた。新条項は、発電所の保安規定が適切かどうかをNRAが判断する基準に、事前計画とリスク検証の要件を明文化するにすぎない。

今後の展開

意見は、行政手続法第39条に基づき、e-Govポータルまたは郵送で提出できる。改正案は、提出された意見を検討したうえで、原子力規制委員会が正式に採択した日から施行される。この検討には、現場の検査官が用いる検査ガイドの関連改正も含まれ、事業者がAOTの範囲内に留まっているかどうか、および計画的な保守のために機器を停止させた際に生じる新たなリスクを管理しているかどうかを確認するための専用の手続きが追加される。これとは別に、事業者は事前の協議の中でNRAに対し、この慣行を発電所レベルで明文化するため、発電所ごとの保安規定の改正を自ら申請する意向を示している。これは、当局が現行のAOT規定の下で技術的には既に認められているとしている点であっても変わらない。このことは、運転中の原子炉の保守を計画的に実施することが定着する前に、業界が単に国の基準の明確化だけでなく、正式な承認を求めていることを示している。