三菱電機(6503)が発表した2027年3月期上期(4〜9月)決算は、売上高が前年同期比3926億円増の3兆1300億円と過去最高を更新し、調整後営業利益は3447億円(前年同期は2045億円)となった。調整後営業利益率は7.5%から11.0%に上昇し、親会社株主に帰属する中間純利益は1893億円から2970億円に達した。同社によると、売上高と調整後営業利益はいずれも上期として過去最高となった。調整後営業利益は、営業利益から事業・資産売却損益や減損損失などの「その他の損益」を控除したものだ。
7〜9月期はさらに好調で、売上高は1兆6300億円、調整後営業利益は2026億円となり、利益率は前年同期の7.8%から12.4%に上昇した。
業績予想を上方修正、一項目は引き下げ
通期の売上高予想は6兆5500億円と、7月31日時点の予想から2800億円引き上げた。調整後営業利益予想は同900億円増の7100億円とし、利益率は10.8%を見込む。同社は上方修正の理由として、FAシステム、空調・家電、インフラの売上伸長に加え、セミコンダクター・デバイスの収益性改善を挙げている。
| 項目 | 前年度実績 | 7月31日予想 | 今回予想 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 5兆8900億円 | 6兆2700億円 | 6兆5500億円 |
| 調整後営業利益 | 5012億円 | 6200億円 | 7100億円 |
| 税引前利益 | 5260億円 | 6700億円 | 6950億円 |
| 純利益 | 4077億円 | 4950億円 | 4650億円 |
純利益だけは例外となった。税引前利益予想を250億円引き上げた一方、親会社株主に帰属する当期純利益予想は300億円引き下げて4650億円とした。決算説明会資料には下方修正の理由は示されていない。
需要のけん引役
業績拡大をけん引したのはFAシステムだ。売上高は4823億円、調整後営業利益は822億円に伸び、利益率は17.1%となった。同社は日本、中国、韓国でのAI・半導体関連の設備投資を要因に挙げており、工作機械向けの需要も増加した。同事業の受注高は、当期の第1四半期に前年同期比42%増、第2四半期に同54%増となった。
セミコンダクター・デバイスでは、AIデータセンターの増設を背景に通信用光デバイスや産業向けパワー半導体の需要が拡大したとしている。部門利益は329億円、利益率は20.6%で、受注高は第1四半期に53%増、第2四半期に79%増となった。
空調・家電は売上高が9398億円、利益が1089億円だった。三菱電機は、国内の省エネ基準改定前の需要や欧州の猛暑、および価格改善が寄与した一方、素材高騰がその効果を一部相殺したとしている。防衛・宇宙システムは利益が202億円となり、同社は政府関連予算の増加を要因に挙げている。
為替も追い風となった。上期のドル円レートは期中平均1ドル=160円(前年同期は146円)だった。調整後営業利益の増益幅1402億円のうち、為替影響が410億円、規模変動などが992億円を占めた。通期見通しの第3四半期以降の前提レートは1ドル=155円と、7月時点の予想(150円)から円安方向に見直した。
すべての部門が増益となったわけではない。デジタルイノベーションは調整後営業損益が3億円の赤字に転落した。同社は米国のOT(制御技術)セキュリティ事業会社の買収に伴う償却費の計上を要因に挙げている。社会システムの利益は181億円から142億円に減少したが、同社は前年同期に一過性収益を計上した反動としている。
株主還元
三菱電機は上限2000億円の自己株式取得を決議した。年間配当と合わせた総還元性向は69%となる見通しだ。中間配当は前年同期比5円増の1株当たり30円とし、期末配当も30円を予想する。自己株式取得枠は上限であり取得完了を意味するものではなく、決算説明会資料には取得期間の記載はない。上期末の現金及び現金同等物は9564億円、上期のフリーキャッシュフローは3633億円だった。
