日銀の9月短観で、大企業製造業は6月時点の予測より良好な業況を報告したが、全ての規模区分が12月までに景況感の悪化を見込む。大企業製造業の指数は2ポイント上昇の24で、6月時点の予測は17だった。全規模・全産業は18から21に上昇し、6月時点の予測11を上回った。12月予測は15。
業況判断指数は、業況を「良い」とする企業の割合から「悪い」とする企業の割合を差し引いて算出する。日銀調査統計局が2026年10月1日に調査結果を公表した。調査対象は9104社で、回答率は99.4%。回答期間は8月26日から9月30日。
製造業は上昇、非製造業は低下
改善は製造業に集中した。中堅製造業は6ポイント上昇の23、中小製造業は5ポイント上昇の14。非製造業は逆に低下するか横ばいだった。大企業非製造業は2ポイント低下の35、中堅非製造業は2ポイント低下の24、中小非製造業は15で変わらなかった。
12月予測では景況感が悪化する。大企業製造業は12月に21、大企業非製造業は30を見込む。中堅企業は製造業・非製造業とも5ポイントの低下を見込み、中小非製造業は10を見込む。
| 区分 | 6月調査 | 9月調査 | 12月予測 |
|---|---|---|---|
| 大企業製造業 | 22 | 24 | 21 |
| 大企業非製造業 | 37 | 35 | 30 |
| 中堅企業製造業 | 17 | 23 | 18 |
| 中堅企業非製造業 | 26 | 24 | 19 |
| 中小企業製造業 | 9 | 14 | 12 |
| 中小企業非製造業 | 15 | 15 | 10 |
| 全規模・全産業 | 18 | 21 | 15 |
利益と投資計画
大企業製造業の経常利益は、2027年3月に終わる今年度に13.6%増となる見通し。日銀の修正率は+21.7%で、6月調査と9月調査の数値の変化率として算出している。大企業非製造業は4.7%の減益を見込み、修正率は+1.8。全規模・全産業では、売上高4.1%増に対し、経常利益は2.2%増の見通し。
土地購入額を含み、ソフトウェア・研究開発投資を除く設備投資は、今年度、全規模・全産業で7.6%増の計画。大企業は11.3%増で、うち製造業は11.6%増、非製造業は11.2%増。
規模別の差は大きい。中堅製造業の計画は1.9%増にとどまり、前年度は13.8%増だった。全産業の中小企業は4.7%減、中小非製造業は8.4%減を計画する。ただ、中小企業の修正率はそれぞれ+4.0、+5.3といずれもプラスとなっている。
人手不足と借入コスト
雇用人員判断指数は、人員が過剰と答えた企業の割合から不足と答えた企業の割合を差し引いた値で、全規模でマイナス38となった。6月はマイナス37だった。12月予測はマイナス41。中小企業が最も人手不足感が強く、マイナス39からマイナス42に低下し、予測はマイナス45。大企業はマイナス29。
企業は借入コストの上昇も報告している。貸出金利判断指数は、金利が上昇したと答えた企業の割合から低下したと答えた企業の割合を差し引いた値で、全規模で6月の61から68に上昇し、12月予測は71。中小企業は61から70に上昇し、予測は74。大企業は59から65に上昇し、予測は67。同じ期間、貸出態度指数は全規模で13、資金繰り判断指数は11でいずれも変わらなかった。概要は貸出金利が上昇した理由を説明していない。
為替レートと物価見通し
企業の想定為替レートは調査上の前提であり、市場レートではない。全規模の今年度の想定は平均で1ドル=154円23銭と、6月調査の152円57銭から上昇した。1ユーロ=177円86銭で、6月調査の175円62銭から上昇した。
物価見通しはおおむね横ばいだった。全産業の企業は、1年後の一般物価の年間上昇率を2.6%(6月は2.7%)、5年後を2.5%(同2.6%)と見込む。自社の販売価格の1年後の変化見通しは3.7%から3.5%に縮小した。
