メタプラネット(3350)は、520億円のゼロクーポン転換社債を海外投資家向けに発行することを決め、これにより負債総額が増えると明言している。訴求点は負債の構成で、ビットコインを担保とする借入金の一部を、無担保で利息のかからない社債に置き換える。
資金の使途
臨時報告書によると、発行諸費用の概算額1億1700万円を差し引いた手取概算額は約519億円。このうち236億円を2026年11月のビットコイン担保クレジット・ファシリティの返済に、最大283億円を2026年10月から12月の自社株買いに充てる。
| 使途 | 金額 | 時期 |
|---|---|---|
| ビットコイン担保のクレジット・ファシリティの返済 | 236億円 | 2026年11月 |
| 自社株買い | 最大283億円 | 2026年10月~12月 |
| 合計 | 519億円 | 該当なし |
このファシリティの借入上限は8億ドルで、2026年9月30日時点で約6億5000万ドルを借り入れている。返済分には、メタプラネット証券の取得に充てた借入金が含まれる。同社の目安は、この借入金を保有ビットコインの時価の10分の1未満に抑えることだ。9月30日時点の比率は約17.7%でこの目安を上回っており、ビットコインが下落すれば上昇する。リリースはこれを、貸し手との融資契約上の財務制限条項ではなく社内目標と説明している。
社債の内容
社債の償還期限は2031年10月29日で、発行は2026年10月29日の予定。クーポンはなく、担保も保証も付かず、同社は格付けを取得する予定はない。券面は1000万円の5200口。募集価格は額面の102.5%で、発行体の受取額は100%。差額は手数料に代わる引受会社の報酬となる。米国を除く海外での募集の単独ブックランナーはMerrill Lynch Internationalで、社債はシンガポールに上場する。
転換価格はまだ決まっていない。投資家の需要を踏まえて決め、引受契約を結ぶ日のメタプラネットの東京での終値を下回ることはできない。同社は、ビットコイン価値に対する時価の倍率(mNAV)を1.0倍超に保てるプレミアムを付ける意向だが、転換時点でのこの倍率はビットコイン価格に左右されるとしている。転換は2026年11月12日から2031年10月15日まで可能。
社債の保有者は2029年10月29日に額面での償還を請求できる。同日以降は、株価が連続30取引日のうち20取引日で転換価格の160%以上で引けた場合、メタプラネットも額面で社債を繰上償還できる。
自社株買いの内容
同社は、10月13日の終値である1株261円でToSTNeT-3の買い付け注文を出す。対象は9693万4800株、金額は252億9998万2800円で、普通株式の約7.1%に当たる。注文は10月14日午前8時45分に出され、通知によると、一部または全部が約定しない可能性がある。取得資金は、社債による資金が入るまで手元資金と、必要に応じて借入金で賄う。
取締役会は、2025年10月に承認した上限750億円の自社株買い枠も終了した。この枠では株式を1株も取得していない。理由として、ビットコインの購入やM&Aを優先した時期があったことや、未公表の案件情報があり市場での買い付けができなかった時期があったことを挙げた。新たな枠は上限600億円、または2億株で、2026年10月14日から2027年10月13日まで。
投資家のヘッジを支援するため、サイモン・ゲロヴィッチ最高経営責任者(CEO)は、家族の持ち株会社を通じて最大5500万株を引受会社に貸し出す方針だ。
未定の点
社債の転換価格、ひいては潜在的な希薄化の程度は決まっていない。プレスリリースは、社債による資金を新たなビットコイン購入には充てないとしている。自社株買い枠の未使用分は、市場での買い付けか、クレジット・ファシリティの返済に充てる。
