アドバンスクリエイト(8798)が9月30日の取締役会で承認した再発防止策(詳細版)は、社長が次回の定時株主総会で株主から取締役に再任されても、代表取締役社長の職を退く方針を示した。東京証券取引所は9月29日に同社株を特別注意銘柄に指定し、上場契約違約金を徴求すると通知していた。今回示されたのは方針であり、辞任ではない。文書にはトップ交代の時期が記されておらず、その判断に至った経緯は同社の8月13日付の骨子に譲っている。
同社の会計問題は会計調査に関する過去の記事で取り上げた。今回の開示は、原因についての同社自身の説明と、期日を付した改善策を加えたものだ。
上場への影響
同社によると、東証は9月29日に同社株を特別注意銘柄に指定した。アドバンスクリエイトは、指定の解除を目指し、ガバナンスと内部管理体制に関する改善計画を策定して、「改善計画・状況報告書」として東証に提出する予定だとしている。提出日は決まり次第開示する。開示文書は違約金の額を示していない。
同社の原因分析
アドバンスクリエイトは、第三者委員会が、同社と広告代理店事業を担う完全子会社における過去の一部の広告取引やソフトウェアの資産計上で不適切な会計処理があったと認定し、一部の経営陣の関与も認めたと説明している。直接の原因は現社長による過度な業績プレッシャーで、その背景に社長を頂点とする企業風土と同質化した組織があるとする。社外取締役にはリスクの兆候を察知するのに必要な情報が共有されず、内部統制も十分に機能しなかったという。
同社はまた、第三者委員会は社長の強いリーダーシップ自体を否定的に評価したわけではなく、その役割を否定すれば同社のこれまでの歩みを否定することになると述べている。創業以来の基本理念と社是は変えない。
実施済みの措置と今後の予定
同社によると、すでに社長を指名・報酬・ガバナンス委員会の委員から外し、取締役の選任案や報酬の決定過程からも排除した。役員がメールやチャットで出す指示は、特段の支障がない限り他の役員にも共有する運用を始めた。人事案は、管理部門担当の取締役が2026年12月に就任するまで、管理部門担当の執行役員が担う。あわせて、業績目標よりコンプライアンスを優先し、内部通報者を保護すると定めた行動規範を制定した。
10月1日から、管理部門の新たな担当執行役員を選任する。大手金融機関やコンサルティング会社での経験を持つ人物とのみ説明している。12月の定時株主総会で選任される取締役の中から選ぶ改革担当取締役が、計画を主導する。
| 時期 | 対応 |
|---|---|
| 2026年10月1日から | 管理部門の新たな担当執行役員を選任 |
| 2026年10月 | グループディスカッションと初回研修の実施、社外取締役と監査役会の月次意見交換会の開始、職務権限表など社内規程の改定、監査指摘事項の管理台帳の整備 |
| 2026年11月まで | 再発防止モニタリング委員会を設置 |
| 2026年12月 | 定時株主総会、選任された取締役から改革担当取締役を選出、管理部門担当取締役が就任、ルール変更を社内規程に明記 |
| 2027年3月まで | 内部通報制度の再構築が完了 |
| 2027年4月 | 管理職の新たな評価基準を人事考課に適用 |
ガバナンス面では、社外取締役と監査役会の意見交換会を月次で開き、監査法人、監査役会、内部監査室の三者会議を四半期ごとに開く。経理や内部監査の担当者には、不正の兆候を社外取締役と監査役に直接報告する義務を課す。内部統制では、取引が実在することを証明する責任を事業部門が負い、高リスク取引は経理・法務の事前審査を要する。
同社は、第三者委員会と意見交換し、計画が同委員会の提言の趣旨に沿うことを確認したとしている。文書は社長の後任者を明らかにしていない。
