本文へ移動

金融プロフェッショナル向けに、日本の市場・ビジネス情報を平日夕方に配信。

無料登録
Tokyo BriefTokyo Brief 日本語版日本のビジネスニュースを、夕方に総まとめ。
第2026-08-26号|2026年8月26日

ウェブ版

DNPのオーストリア攻略、インサイダーによる買収、そして活動家ファンドの進撃

DNPがオーストリアでの完了目前まで前進し、ある会長が自ら経営する会社を買収し、アクティビストファンドがワコムとコムシスホールディングスに増配を迫るなど、東京の株式保有シーズンが熱を帯びている。

マーケット

市場概況

8月26日号より時点:2026年8月26日(日本時間)
日経22566,262.16+0.62%
TOPIX4,111.02+0.42%
JPXプライム150指数1,717.16+0.47%
米ドル/円159.01-0.28%
新発10年物国債利回り2.897%+1 bps

東京株式相場は上昇し、新発10年物国債利回りはわずかに上昇した。

日経、JPX、日銀、財務省の数値に基づく——解説ではない。

主要記事

DNPのオーストリア攻略

大日本印刷、オーストリアのAustriaCard株96.55%を確保-成立まで承認1つ

大日本印刷が実施したAustriaCard Holdingsに対する10週間の公開買付けは8月21日に終了し、3509万9096株が応募された。これはウィーンとアテネに上場するスマートカード・本人確認文書メーカーの議決権株式の96.55%に相当する。これによりDNPが取引成立に必要とした75%の下限を上回り、オーストリア会社法上のスクイーズアウトの発動基準となる90%も大きく超えた。この株式の価値は約3億5100万ユーロに上る。

なぜ重要か: 日本の印刷会社が欧州の決済・本人確認技術企業をほぼ完全に買収するというのは、東京の取締役会が口にはしても実行に踏み切ることの少ない海外統合の典型だ。DNPは今、残る株主を排除し、両取引所からAustriaCard株を上場廃止にするだけの支配権を握っている。

注目点: オーストリアの対外投資審査だけが唯一残るハードルだ。承認が下りれば、DNPはウィーンとアテネからの同時上場廃止を伴うスクイーズアウトに直ちに進む方針を既に示している。

続きを読む

注目記事

取締役会への圧力

ART VIVANT、会長自らが経営する会社の支配権を買収

ART VIVANTの会長兼社長、野澤克己氏自身が、自らが経営する会社の支配権を買収した。同氏が全株を保有する持株会社Orsayが東証スタンダード上場の同美術品販売会社に対して公開買付けを実施し、株式の59.73%を取得した。野澤氏の別の持株会社と合わせ、インサイダーの保有比率は現在94.02%に達している。

注意点: 今回の買付けにより、買付け前に同社株の4割近くを保有していた大口の外部株主も一掃された。

なぜ重要か: これほどの規模の支配株式を握ったことで、上場企業として経営してきた同じ経営陣の下でART VIVANTを非公開化する道が直接開かれた。

続きを読む

ワコム株主AVI、保有比率18.1%に引き上げ-配当支払率65%を要求

アセット・バリュー・インベスターズはワコムへの保有比率を18.11%に引き上げ、同社に配当支払率65%への引き上げを正式に求めている。取締役会や資本政策の変更を求める権利も留保している。

続きを読む

オアシス、コムシスホールディングス株保有比率を7.36%に引き上げ-要求リストを拡大

オアシス・マネジメントはコムシスホールディングスへの保有比率を6.32%から7.36%に引き上げ、配当政策の変更や代表取締役の退任を求める方針とともに、3か月以内にさらに5ポイント超を追加取得する可能性を開示した。

続きを読む

注目記事

資本とバランスシート

NTTファイナンス、2年間で1兆円の社債枠を登録

NTTファイナンスは関東財務局に発行登録書を提出し、2028年9月までの2年間に発行できる社債の上限を1兆円と設定した。この登録により、NTTグループの金融部門は融資、運転資金、リース資産、グループ全体の債務償還に充てる資金調達の余地を確保した。

注意点: 登録では各回号の規模、利率、引受先は定められておらず、実際の調達コストと時期はNTTファイナンスが枠を使うまで分からない。

続きを読む

ジャパン・ホテル・リート、分配金15%増-主因は簿価5倍で売却した沖縄リゾート

ジャパン・ホテル・リートは通期分配金予想を1口当たり5811円に引き上げた。前年比14.8%増、前回予想からは231円の上乗せとなる。この増加分のうち1口当たり992円は、簿価の約5倍の価格で売却した沖縄の単独リゾート物件の確定売却益から直接生じたものだ。

注意点: 分配金増加の大半は一回限りの資産売却によるもので、本業の改善によるものではない。同リート自身の月次開示によると、日本のホテルにとって主要な需要要因である中国からの訪日客数は依然として減少が続いている。

続きを読む

群馬銀行、第四北越との統合議決の基準日を9月30日に設定

群馬銀行の取締役会は、第四北越フィナンシャルグループとの株式交換による統合について議決権を有する株主を確定する基準日を2026年9月30日と定めた。臨時株主総会は12月23日に開催予定だ。

注目点: 会場や議案の全文はまだ確定していないが、これにより地銀業界における大型統合の一つを追う関係者には具体的な日程が示された。

続きを読む

enish取締役会、ソラナの初回購入を承認-上限1億円

モバイルゲームメーカーのenishは、8月26日の取締役会決議から1か月以内に暗号資産ソラナを最大1億円購入する。これは6月に発表した6億4000万円のデジタル資産保有計画に基づく最初の購入となる。

注意点: enishは今後、保有資産について四半期ごとの時価評価損益を決算に直接反映させることになり、ゲーム会社の四半期業績が暗号資産市場の変動に連動する形となる。

続きを読む

注目記事

政策ウォッチ

国交省、トラック中継輸送の承認権限を地方運輸局へ委任する政令案

国土交通省は、単一地域内で完結するトラック中継輸送計画の承認権限を、東京の大臣ではなく当該地域を管轄する地方運輸局に委任する政令について、9月25日までの4週間、パブリックコメントを実施している。採用されれば2026年11月1日に施行される。

なぜ重要か: 一地域内で完結する中継輸送ルートを運行する物流事業者にとって、承認手続きは東京の窓口から地方の運輸局に移り、改正物流効率化法の下で手続きの一段階が簡素化される。

続きを読む

ニュース短信

クイックヒッツ

  • GLP投資法人、倉庫売却が想定超え-8月期分配金予想を上方修正

    GLP投資法人は、GLP東海物流施設の売却で得た44億円の利益が既存予想を上回ったことを受け、8月期の分配金予想を9.5%上方修正する。経営陣は継続的な超過利益の分配目標を減価償却費の40%に引き上げたい考えだ。

    続きを読む
  • オリックス不動産投資法人、築37年物件を築11.6年ポートフォリオに入れ替え-DPU年3%超成長を追求

    オリックス不動産投資法人は、平均築37年の建物351億円分を、平均築11.6年の資産1323億円分と入れ替える。一部の取引は2028年までに完了する予定で、表面利回りをほぼ変えずに1口当たり分配金の年3%超の成長を目指す。

    続きを読む
  • ヤマハ、ヤマハ発動機株を売却-ブランド共有体制は維持

    ヤマハ株式会社はヤマハ発動機株1400万株をブロックトレードで売却し、資産効率化を理由に保有比率を2.84%から1.46%に引き下げる。両社間の共同ブランド管理委員会は維持される。

    続きを読む
  • メディアドゥ、Seven Seasブリッジ債務返済のため124億円・10年融資を確定

    メディアドゥは、Seven Seas Entertainment買収に伴う短期ブリッジローンを、5行からの124億円・10年物融資に切り替えた。2036年までの自己資本の健全性と収益性に関する制約条項を受け入れている。

    続きを読む
  • QPS Holdings、初の利益計上-防衛衛星契約と152億円増資が衛星群構築を支える

    日本のレーダー衛星メーカーQPS Holdingsは、上場初年度に11億5000万円の純利益を計上した。防衛省との最大697億円の契約と、衛星群拡張の資金調達のための152億円の株式発行が寄与した。

    続きを読む
  • 王子ホールディングス、連日の売却でKPPグループ株保有比率を13.2%に縮小

    最新のEDINET提出資料によると、王子ホールディングスはこの夏、35営業日にわたってKPPグループホールディングス株を売却し、政策保有株の比率を14.22%から13.20%に引き下げた。終了時期は明示されていない。

    続きを読む
  • JR東日本、東洋電機製造への保有比率を20%に引き上げ

    JR東日本は、創業100年の駆動装置メーカー、東洋電機製造への保有比率を発行済株式の20%まで拡大する。同社の通期純利益は39.8%増加し、配当は1株70円から100円に引き上げられた。

    続きを読む
  • Nxera Pharma、Neurocrineのアルツハイマー薬がFDA審査通過-1000万ドルのマイルストーンを計上

    Nxera Pharmaからライセンスを受けたアルツハイマー型認知症治療薬のフェーズ2申請をFDAが受理したことで、1000万ドル(約15億9000万円)の支払いが発生する。同社はこれを既に想定していた通期の第3四半期売上として計上する予定だ。

    続きを読む
  • やまびこ、ロボット式草刈機の成長を自社の好調市場以上に加速させたい

    やまびこは、ロボット式草刈機の売上を年20%超のペースで成長させることを目指しており、これはプロ向け部門で見込む約13%のペースの約2倍に相当する。Toro Companyとの提携とゴルフ場の自動化を軸に、好調な四半期業績がこの取り組みの資金を支えている。

    続きを読む